昭和以降に昇進した大関では２番目の若さで引退の貴景勝　最後まで貫いた父の教え_hollow night

◆大相撲　▽秋場所１４日目（２１日、昭和東京・両国国技館）　

　大相撲秋場所１３日目の２０日に現役引退した元大関・貴景勝（２８）＝本名・佐藤貴信、降に教え常盤山部屋＝が２１日、昇進勝最hollow night両国国技館で記者会見し「燃え尽きた」と時折、したではいた目を潤ませながら語った。大関近年は首の痛みに苦しみ、２番父の２度目の大関陥落で関脇だった今場所は３日目に休場した時点で引退を考え、目の休場から１週間以上がたった１１日目（１８日）の夜に決断。若さ１７５センチ、で引１６５キロの体で奮闘した相撲人生を振り返った。退の今後は湊川親方として常盤山部屋で後進を指導する。貴景で貫

　貴景勝は時折、後ま声を震わせながら言葉を紡いだ。昭和引退発表から一夜明けて行われた会見。降に教え「燃え尽きた。昇進勝最hollow night横綱を目指す体力と気力がなくなった」と心境を語った。度重なるけがに苦しみ、近年は慢性的な首痛で十分な稽古を積めなかったが「けがも合わせて自分の実力、そこで力を出せなかったということはもう終わりだなと思った。つらいという感覚はなかったが、もどかしい気持ちはあった」。昭和以降に昇進した大関の引退時の年齢で２番目に若い２８歳１か月。大関在位３０場所、優勝４度を誇る男は、最後まで言い訳をしなかった。

　思い出の一番は１９年春場所千秋楽の栃ノ心戦。自身が勝てば大関、相手は負ければ大関陥落というお互いの相撲人生を左右する大一番だった。「本当にやるかやられるかの勝負だった。前の日に自分の人生が決まるなと思って挑んだ一番」と回顧。見事に激闘を制して大関の座を射止めた。

　会見では「武士道精神」という言葉を度々口にした。父・佐藤一哉さんの教えで「勝っておごらず、負けて腐らず、うれしくても喜ばない、つらくてもつらいふりしない。それだけは心がけてやってきた」と最後の土俵まで信念を貫いた。「それは死ぬまでの修行」と貫く覚悟を示した。

　今後は年寄り「湊川」を襲名。常盤山部屋付きの親方として後進の指導にあたる。「武士道精神を持ち、昭和の先輩から教えていただいた、根性と気合を持った力士を育ててみたい」と誓った。１０年間という濃くて短い土俵人生に別れを告げ、２８歳の新米親方が第二の相撲人生を歩む。（大西　健太）

　◆貴景勝　貴信（たかけいしょう・たかのぶ）本名・佐藤貴信。１９９６年８月５日、兵庫・芦屋市生まれ。２８歳。１４年秋場所で旧貴乃花部屋から本名の「佐藤」のしこ名で初土俵。１６年夏場所で新十両。１７年初場所の新入幕を機に「貴景勝」に改名。１８年初場所で新三役。同年１０月に千賀ノ浦部屋（現・常盤山部屋）に移籍後、九州場所で初優勝。１９年春場所に大関に昇進した。しこ名は前師匠が好きな戦国武将の上杉景勝が由来。１７５センチ、１６５キロ。得意は突き、押し。